実は日本の税法上で厳密にいうと、日本国内において「ギャンブル」で稼いだお金は課税対象になることをご存知でしょうか?オンラ…
海外のカジノで大勝ちしたぞ!という方、おめでとうございます!この時に気になることといえば、
「日本に住んでても、海外のカジノで儲けたお金は税金がかかるのか?」という点ではないでしょうか?
このページでは、海外のカジノで儲けた時の税金について解説します。脱税の疑いをかけられないためにも、海外カジノで稼いだという方はぜひこの記事で税金について理解を深めましょう!
この記事のまとめ
- 海外のカジノでの儲けは一時所得
- 海外のカジノで儲けたら現地または日本に納税する義務がある
- きちんと納税しないとペナルティがある
この記事はおよそ 8分 で読むことができます。時間がない方は目次を活用しましょう
海外で儲けた場合でも日本に税金を納める必要がある?
結論から言うと、日本に居住している方であれば、海外のカジノで稼いだお金も申告の上納税を行う必要があります。
日本の所得税法では、国内であろうと国外であろうと、所得が発生した場合はその所得を申告しなければなりません。これを「全世界所得課税主義」と言います。
なお、日本人や日本在住の外国人の場合は国内外問わず課税となりますが、非居住者の外国人である場合は日本で獲得した所得に限り課税が適用されます。
ただし、国によっては現地でも税金を支払う必要があるので、二重課税になってしまいます。その場合は「その国に税金を支払い、日本では支払わない」もしくは「日本に税金を支払い、その国では支払わない」のいずれかを選択することになります。
「源泉管轄」だと儲けた国に納税する
税金を徴収する権利のことを「課税管轄権」と言いますが、この管轄権は大きく分けて2つのパターンが存在します。それは、「源泉管轄」と「居住地管轄」です。源泉管轄とは、その人が住んでいる場所に関わらず、所得を儲けた国で課税するという考え方です。
今回のケースで考えると、海外のカジノでお金を稼いだので、その国に納税して、日本では外国税額控除を適用することで二重納税を回避する仕組みとなっています。
「居住地管轄」だと日本に納税する
居住地管轄とは、所得を儲けた国がどこだったとしても、住んでいる場所に課税されるという考え方です。今回のケースでは、海外カジノでお金を稼いだあと、その国ではお金を支払わず、日本に帰ってきた時に申告して納税を行う必要があります。
つまり、日本国籍を持つ人がアメリカのカジノで大金を得た場合、「居住地管轄」の考え方では日本で納税することになり、「源泉管轄」であればアメリカで納税することになります。
国税庁の見解では、居住地管轄と源泉管轄のどちらを採用すべきかは難しい、つまり絶対にどちらかを選択しなければいけないものではないとされています。
少なくとも、海外カジノで税金を納めた場合、日本で税金を納める必要はないといえます。
海外カジノがある国で税金を納めるケース
海外カジノの場合、一定額以上儲けたら現地で税金を納める場合があります。現地で税金を納めた場合は、原則として日本に納税する必要はありません。
また、カジノチップである間は税金がかかる心配は無いのですが、カジノチップの儲けを日本円に換金した場合、税金が差し引かれて残った分だけ換金される仕組みです。
そのため、勝ち額をカジノに預けることで税金の心配はいりません。今後もそのカジノに行くという場合は、デポジットしておくのもおすすめです。
アメリカの場合は日本に納税することもできる
なお、アメリカで日本の個人や法人が得た所得や賞金は、30%が源泉徴収の対象になります。ただし、アメリカと日本には「日米租税条約」が締結されており、源泉徴収された税金の免税措置が取られます。
カジノの儲けから30%の源泉徴収を受けた後、「Form 1042-S」という書類が発行されるので、その書類を添付した上で確定申告書「Form 1040NR」を作成し、IRS(内国歳入庁)に提出することで還付を受けられます。
なおこの場合は、日本に対して所得申告の上納税を行う必要があるので注意しましょう。
海外カジノの儲けは「一時所得」
続いて、海外カジノの儲けを日本で申告する場合の手続きや、納税額について解説します。
まず、海外カジノの儲けは「一時所得」にあたります。営利目的の継続した事業や行為から得られた所得ではなく、一時的に得られた所得のことを指します。懸賞の賞金や生命保険の一時金などがこれにあたり、ギャンブルでの儲けも(事業と認められない限りは)一時所得として扱われます。
給与所得や雑所得とは別々に計算され、所得金額についても計算方法が異なるので注意しましょう。なお、所得税については、そのほかの所得と合算して算出します。
一時所得は、「(海外カジノでの獲得金額) – (海外カジノで利用した額) – (特別控除50万円)」÷2 で計算することができます。そのため、儲けが50万円以下の場合、一時所得はゼロとして計算できます。
サラリーマンが100万円儲けたら納税額はいくら?
例えば、給与所得(※課税所得)が年350万円のサラリーマンが、海外カジノで100万円儲けた場合の納税額について考えることにしましょう。令和5年度の所得計算を参考にしますが、定額減税などの要素は含んでいません。
まず、給与所得が年350万円の場合、本来の所得税額は 3,500,000 × 0.2 – 427,500 = 272,500円です。
海外カジノで100万を儲けた場合は、(1,000,000 – 500,000)× 0.5 = 250,000円が一時所得となります。25万円が所得に追加されるので、年375万円の所得があることになります。
そのため、所得税額は 3,750,000 × 0.2 – 427,500 = 322,500円となります。元々の所得税額に比べて、5万円納税額が増える計算です。
まとめると以下のようになり、100万円儲けた時は追加で5万円を納税する事になります。
- 儲けの課税対象額=25万円
- 給与所得の合計=375万円
- もともとの所得税額=272,500円
- 儲けを入れた所得税額=322,500円
- 源泉額との差額=追加で納める税額=5万円
詳しい税金の計算方法については、当サイトの「税金のページ」をぜひご覧ください!
税金を納めずにすむ方法
カジノで勝ったのに、税金を持っていかれるのは残念ですよね。もちろん脱税は厳禁ですが、とある方法を利用すれば合法的に一時所得で支払う税金をゼロにすることができます。
そこで、カジノで勝っても税金を納めずに済む方法について解説します。
儲け額を50万円以内にする
一時所得の税額を計算する場合、「特別控除」が適用されます。特別控除の金額は50万円であり、一時所得の金額からそのまま50万円が差し引かれるので、一時所得が50万円以下であれば確定申告の必要はありません。
そのため、1年で儲け額が50万円を超えなかった場合は、税金を納める必要が無くなると言えるでしょう。
また、サラリーマンなど給与所得者の場合、「給与所得以外の所得が20万円以下であれば確定申告の必要はない」と決められています。
つまり、海外カジノの儲けが90万円以下であれば、(90万円-特別控除50万円)÷2 = 20万円となるので、税金を支払う必要はありません。サラリーマンの方は、90万円までなら申告しなくてOKです。
海外カジノにプールして日本円にしない
海外カジノでは、必ずお金を持ち帰る必要はありません。キャッシャーで日本円にすると税金がかかってしまいますが、カジノに預ける(デポジット)ことで税金が引かれていない状態でプールされ、次回来た時にそのままの金額で遊ぶことができます。
カジノに通ったり多くの金額を賭けることでVIPランクが上がり、お得なサービスを受けられるのですが、いちいち目減りした状態でお金を引き出すと手数料がかかって勿体無いですよね。
なので、何度も同じカジノに通うということであれば、日本円にせずにお金をプールしておいた方が、よりお得意様に近付くことができると言えるでしょう。韓国やマカオ、シンガポールなどの比較的日本から近いカジノに行く場合、プールも選択肢に入れておくことをおすすめします。
税金を納めなかった場合のリスク
海外カジノで稼いだということは税務署には分からないので、残念ながらカジノでの儲けをきちんと申告して税金を納める人は少ないです。
しかし、税務調査が入ると、不自然にお金を多く持っている場合どのように得たお金なのかを尋ねられます。そこで海外カジノでの稼ぎを申告していなかったことがバレてしまった!という場合、以下のようなリスクがあります。
- 過少申告加算税、無申告加算税、重加算税、不納付加算税などが加算され、より多くの金額を支払うペナルティが発生する
- 原則として法定納期限の翌日から納付する日までの日数に応じて、利息に相当する延滞税が加算される(日銀が金利を引き上げたことにより、今後延滞税についても加算率が上がる可能性が高い)
- 金額が大きい場合、実刑判決などの「刑事罰」が科される可能性がある
税務署は金融調査のプロなので、大きなお金の動きはまず見逃してくれません。こういったリスクを下げるためにも、きちんと確定申告の上税金を支払うことを強くお勧めします。
まとめ:海外カジノで儲けたらきちんと税金を納めましょう
日本に在住する方は、日本人・外国人を問わず「全世界所得課税主義」が適用されるため、海外カジノで儲けた場合も所得税が発生してしまいます。
カジノの方ですでに税金を支払ったのであれば税金を納める必要はありませんが、そのまま日本円にして持ち帰ったという場合は確定申告の上税金を納める必要があります。
確かに海外カジノでの儲けを税務署が把握することはできませんので、税務署にちゃんと海外カジノでの儲けを申告している方は多くありません。
しかし、税務調査などを通して仮に脱税が発覚してしまった場合、多く税金を払わされるばかりか実刑判決を含めた刑事罰を受ける可能性すらあります。海外カジノで稼いだお金は必ず申告して、きちんと税金を納めましょう。
Bell
(ウィナーズクラブ管理人)
日本は「全世界所得課税主義」なので海外のカジノで儲けた場合でも税金を納めなければなりません。きちんと納めて脱税にならないようにしましょう。