ギャンブルをやっているとよく目にする言葉に「射幸心」というものがあります。
義務教育では学ぶことがなかったこの射幸心という言葉の意味をよく知らない人も多いのではないでしょうか。
このページでは射幸心についての意味や打ち勝つ方法などを紹介します。
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射幸心とは努力や苦労なしに利益を得ようとする気持ち
身近にある射幸心を煽る3つの例
射幸心を煽られたときにする3つの対処法
射幸心についてのまとめ
射幸心とは努力や苦労なしに利益を得ようとする気持ち
射幸心とは簡単に言うと、「幸運を得たい」と願う気持ちのことです。
これだけでは極々自然に起こり得る思考と言えるのですが、深く追及するとその中には「”労せず”他人よりも多くの利益や成功を得たい」という心理的な欲求を抱く状態を意味することが分かります。
広い意味ではお祈りで健康を願うことも、安売りの商品を手に入れることだって含まれるでしょう。ここではそんな「射幸心」について、掘り下げていきます。
射幸心を煽(あお)るとは
射幸心は「射幸心を煽る」といった形でよく用いられます。この射幸心を煽るとは、苦労することなく利益を得たいという気持ちを駆り立てるということを意味します。
誰しもが持つ欲望を過剰にかきたてることで、ギャンブルの胴元など仕掛ける側が利益を得る仕組みになっています。
つまり、楽して成功したいという欲求をくすぐってあくどく儲けるというスタイルです。
これが原因となり、トラブルや犯罪、果ては死人が出ることも。そのため、過度な表現で激しく射幸心を煽る行為は法律で禁止されています。
射幸心の類語は「野心・山っ気・色気」など
射幸心と類似した意味を持つ言葉には、野心、山っ気、色気があります。
野心は大きな目標や成功を追求する強い意志を指し、計画的で長期的な視点を持つことが特徴です。
山っ気は、一攫千金を狙う冒険心や無謀な挑戦心を意味し、リスクを顧みずに大きな利益を追求する姿勢を表します。
色気は、「色気を出す」というように、瞬間的な誘惑や欲望に駆られることを意味し、短期的な成功や利益に強く惹かれる様子を示します。これらの言葉はそれぞれニュアンスは異なりますが、少なからず射幸心と言う言葉の一部を表していると言えます。
射幸心を英語で言うと「speculative spirit」
射幸心は英語で「speculative spirit」と表現されます。speculativeは「投機的」を意味し、株式投資などで使われる際には、短期的な利益を追求する行為として批判されることがあります。
このような投機的な行為は、度が過ぎるとペナルティが課されることもあります。
ただし、その線引きは曖昧であり、射幸心のように恣意的に扱われることが多いです。いずれにせよ、楽して儲けることへの欲望は、多くの議論や考察を引き起こすテーマです。
パチンコ広告などの射幸心を煽る内容について
パチンコ広告における「射幸心」とは、ギャンブルによる偶然の勝利を期待させる心理的な要素です。国語辞典では「まぐれ当たりによる利益を願う気持ち」と定義されています。
パチンコ店の広告は、顧客に「この日に・この店で・この機種を・こう打てば勝てる」という期待を抱かせ、射幸心を刺激することを目的としています。
しかし、過剰に射幸心を煽る広告は、店の信頼を失い、長期的な経営に悪影響を及ぼす可能性があります。そのため、広告においては射幸心の適切なコントロールが求められます。
身近にある射幸心を煽る3つの例
このように日常生活において射幸心を揺さぶられるものを言い出すと枚挙に暇が無くなってしまうのですが、近年では大きく3つのジャンルにおいて射幸心を煽るものがあるとして問題視されることがしばしばあります。
いずれも身近にある存在なので、上手く付き合っていくことが大切です。
スマホゲームの課金やガチャ要素
スマホゲームの課金システムには、希少なキャラクターやゲーム内アイテムを入手するための「ガチャ」が含まれており、これがプレイヤーの射幸心を煽る要因となっています。
プレイヤーが時間や努力をかける代わりに、運と課金で特定のアイテムを手に入れる仕組みは社会的問題として議論されています。
業界では当選確率の公表や課金上限の設定などの対策を講じていますが、海外ではこのシステムをギャンブルとみなす国もあり、射幸心を煽るシステムであることは否めません。
ギャンブル全般による射幸心
日本にはパチンコ・パチスロ、競馬や競艇、宝くじやロトなど、多くのギャンブルが存在しています。これらは、労せず大金を得るという射幸心を煽ることで成り立っています。
しかし、一日に行われるレース数や営業時間には制限が設けられ、ルールを逸脱した場合には厳格な処罰が下されるなど、射幸性を抑制するための明確な線引きが行われています。
投資やFXなどの広告
株式や為替FXなどの投資も、過度に射幸心を煽る代表的なジャンルです。これらは国や企業を応援する社会的意義を持ちながらも、大きな利益を得られる可能性があるため射幸心が絡んできます。
多くの商品は厳格なルールに基づき、リスクとリターンのバランスが取れていますが、中には異常に高いリターンを謳う詐欺まがいのものも存在します。投資の取引では大きな額が動き、失敗時の損失が大きくなるため、慎重な判断が求められます。
射幸心を煽られたときにする3つの対処法
このように射幸心というものは、日頃からすぐ自分の隣に在るなんてことのない存在です。
それは時として暴れ狂い、その様はまるで何かをきっかけに燃え上がる小さな火種のようなものですが、これを上手く制することも十分に可能です。
そんな射幸心を煽られた時の対処法を紹介します。
法律に触れる可能性を思うことで気持ちを抑える
射幸心を抑制するためには、法律に触れる可能性を考えることが重要です。違法ギャンブルに手を出せば罰せられるという認識が、射幸心の暴走を防ぎます。
また、自分の射幸心が原因で引き起こされる犯罪やアクシデント、知人や家族に及ぼすリスクを考えることで、さらに抑制効果があります。周りの人に迷惑をかけないことを意識することも、新たな幸せを生むことにつながり、射幸心を抑える有効な方法となります。
使える限度額を設定して抑制する
射幸心を抑制するためには、使える限度額を設定することが効果的です。例えば、月に3万円まで自由に使えるお金があるなら、一日に千円だけ使うといったルールを設けます。
ギャンブルにのめり込んでいる時は難しいですが、冷静な判断ができる時に引き出し限度額の設定や振込み禁止設定をしておくことが重要です。具体的な数字でコントロールする方法は効果が高く、公営競技のネット投票では利用額を制限する設定も活用できます。
自分の気持ちを抑制する
この程度の勝ち、利益では満たされない…いつまでも際限なく射幸心が大きく煽られてしまう。
そんな人は他に何か不満や抑圧などのストレスがあり、その鬱憤を晴らすためにギャンブルに手を出してしまっている可能性があります。
そういった原因を突き止め、射幸心の抑制に繋げることも重要です。
心の抑制方法1・論理的思考を身につける
ギャンブルへの射幸心を抑制するためには、論理的思考を身につけることが重要です。漫然とギャンブルを続けるのではなく、勝利の質を高めるために論理的なアプローチを取り入れることが有効です。
具体的には、「当たるといいな」や「次こそ当たる」といった非論理的な判断を避け、ゲームのルールと本質を理解し、有利な状況が来た時のみ手を出す冷静な計算が必要です。これにより、無駄な射幸心を抑え、ギャンブルに対する欲望を制御できます。
心の抑制方法2・ビギナーズラック(運を信じる)は続かないことを知る
ビギナーズラックとは、初めてのギャンブルで偶然大きな勝利を得ることですが、その勝因を無欲や運の良さといった形で美化し、永続的に続くと誤解しがちです。
しかし、運だけの勝利は決して続かないことを認識することで、射幸心を抑え、理性的な判断を維持することができます。
心の抑制方法3・趣味を持ち何のために生きるかを考える
射幸心を抑制するためには、ギャンブル以外の趣味を持ち、何のために生きるかを考えることが重要です。楽して得をしようとする射幸心から抜け出すために、テニスや水泳などのスポーツや、アウトドアや旅行といった活動に挑戦するのも有効です。
また、自分への投資として資格取得などに興味を持つことも良いでしょう。この世には多くの趣味が存在します。様々な活動に挑戦し、自分に合った本当の趣味を見つけることで、ギャンブルへの依存を防ぐことができます。
射幸心についてのまとめ
その言葉の意味と社会通念上から、とかく快く思われないネガティブさがつきまとう形で使われる「射幸心」。
ですが、この言葉自体は決して悪いものを表現するものではありません。
むしろ、射幸心があるからこその上達や成功を見出すこともあるくらいです。
そんな射幸心と上手く付き合うことで、ギャンブルで勝てるようになれます。
そして、そんな射幸心も決してギャンブルの世界だけにあるものではありません。多種多様な趣味、普段の生活の中にも射幸心はあり続けます。射幸心を上手く味方につけ、自分の人生全体を真の意味で潤していきましょう。